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「データはこうして生まれる~リサーチャー(現場管理)の一日に密着~」

コラム

都市ネットはこれまで、交通量調査やデータ分析、コンサルティング業務などの業務を主軸とし、多くの交通計画や地域づくりに携わってきました。

これらのベースとなるのが、調査の現場で得られた情報(データ)です。

私たちの仕事は、現場で起きている「リアル」をいかに掴むかが重要です。

今回は、当社のリサーチャーが現場に立つ一日を追いながら、一次情報をどのように収集しているのか、またリサーチャー自身が調査現場において留意し、大切にしていることなど、見えにくい調査の裏側をご紹介します。

(インタビュアー:吉野)

Q.今日はなかなか見えにくい調査現場について、教えてください。まずは簡単に自己紹介をお願いします。

よろしくお願いします。調査部の今井です。

この会社に入社して10年ほどになりますが、その前にもこの仕事に関わっていたので、仕事経験で言えば約15年でしょうか。いろいろな調査を担当しましたが、中でも交通量調査が多いですね。

まずお仕事の依頼が来たら、お客様と打ち合わせて調査内容を決めます。私はその調査の準備や現場管理業務を主に担当します。

調査で集められた情報は、集計を専門に行う社員にお願いしています。そして集計や分析結果を元にお客様へ報告する、というのが基本的な業務の流れです。

Q.ありがとうございます。今日は現場管理業務の一日についてお伺いします。まず、基本的な稼働時間を教えてください。

調査内容や現場にもよりますが、基本的には朝の7時から夕方の19時頃までがセットです。それよりも短い場合もあれば、長くなることもあります。調査の目的に沿って、調査時間は決められます。

Q.現場管理の日は、どのような仕事から始まりますか?

まずは準備からです。カウンターやビデオカメラ、記入用紙など、調査に必要な機材は前日までに車に積み込んでいますので、当日はその機材とともに、調査開始の少なくとも1時間前までに現地入りします。

開始時刻に遅れるわけにはいかないですからね。調査員の皆さんは、基本的には公共交通機関で現地入りしてもらいます。

早朝からの調査が多いので、車の運転はマストですね。私は現場管理の仕事は、半分は運転だと思っているくらいです。車の運転が好きで、苦にならない人がこの仕事には合っていると思います。

私の場合、9割以上が都内またはその周辺での仕事ですが、調査時間によっては直行・直帰もあります。

Q.現場での準備、その具体的な内容は?

調査現場に到着したら、最初にぐるっと全域を散歩します。これは毎回必ず行います。

すでに事前に下見で訪れている場所なのですが、工事現場や路上駐車の有無など、下見のときとの変化を確認します。また、何度も訪れている地域なら、新たなビルやお店があれば、変化を読み解くきっかけにもなります。

交通量調査では事前に調査地点を決めています。

当日になってその地点に立ち入れないような場合には、別の場所の確保も必要です。

これらは調査を予定通り、かつスムーズに行うための確認作業ですね。ビデオカメラによる調査の場合は、この段階で設置まで進めてしまいます。

そうこうしているうちに、調査員の皆さんが集合しますので、点呼し、問題がなければその日の業務概要や注意事項をお伝えして配置についてもらいます。

どこの地点にどの調査員を配置するかは、事前の準備段階で決めています。

例えば、経験豊富な方と未経験の方のバランスを考えたり、調査員の得意・不得意に配慮したりします。当日に急な欠員が発生することもあるため、臨機応変な対応も必要です。

Q.いよいよ調査開始ですね。開始後の主な仕事は?

調査が始まってしまえば、基本的には調査員の皆さんにお願いする形になります。

調査地点は数か所程度の場合もあれば、40~50か所のような多地点となることもあります。

調査地点は合っているか、調査が順調に進んでいるかを、各地点を回って確認します。地点情報は渡していても、慣れていない調査員の場合、間違っていることもあるんです。

カウント内容や、ビデオカメラの場合はきちんと作動しているかも確認します。

ビデオカメラで注意が必要なのは、きちんと録画ができているか、バッテリーは足りているかの定期的な確認です。これも基本的には調査員の皆さんにお願いし、故障やバッテリー切れの際に私たちが対応します。

また、最近は調査員の皆さんの体調管理も重要な仕事です。

調査は基本的に交代制で、きちんと休憩を取ってもらえるように人員を配置していますが、特に夏場は熱中症への配慮が必要です。

それから、これはクライアントによりますが、調査の進捗を報告する場合があります。

私たちが現場にずっと張り付いている、というよりも、基本的には調査員の皆さんにお願いし、進捗の確認やクライアントへの報告が主な業務で、あとは何か問題があったときに対応するような進め方です。

Q.何か問題があったときとは、具体的にどのようなケースですか?

調査中のトラブルとしては、例えば調査地点で座っていると、周辺の店舗や住民などからクレームが入ることがあります。

そうした場合は現場管理の私たちが説明します。

ただ、「どういう調査?」と聞かれることが大半で、トラブルに発展するようなケースは滅多にありません。調査員の皆さんにも、クレームの原因になるような行動はしないように、常にお伝えしています。

あとは、現場で発生する「想定外」への対応ですね。

事前把握していなかった工事が始まったり、事故や通行止めがあったりすれば、調査への影響を考慮しながら対策を考えます。

調査地点の周辺で大きなイベントの開催や、デモ隊の通行があれば、交通の流れを変える可能性があります。

これらは、数自体は多くないものの、調査結果に影響を及ぼすため、対策を考えることが多いですね。

Q.では、現場管理の業務は、基本的に調査が円滑に進むサポートをするようなイメージですか?

そうですね。そういう側面もあると思います。

基本的には現場を回りながら確認をしていますが、それはすべての時間ではなく、車で休憩したり、近隣の店舗で仕事をすることもあります。

もちろん調査の初心者の方には、横に立って指示することもあります。

ただ、調査員の皆さんはチームで動くことが多く、中には経験豊富な方々がいますので、ベテランさんに指導をお願いすることもありますね。

その意味では、現場管理の仕事には、コミュニケーション能力も必要なのかもしれません。

それはクライアントのみならず、調査員の皆さんとも積極的に交流を図るためです。いろいろな方々とお仕事を共にするわけですからね。

Q.そして、いよいよ調査が終了します。その後の業務の流れを教えてください。

終了時刻になったら、各地点から調査員が戻ってきます。

そこで調査票や機材を回収し、内容を確認します。さらに調査員から追加で共有してもらう情報があれば伝えてもらいます。なければ調査員は解散です。

ビデオカメラは私たち現場管理者が回収に向かいます。そして、クライアントに調査が終了した旨、連絡を入れます。ここまでが終了時に行うことです。

そのあと、回収したカメラや機材を車に積み込みます。調査規模にもよりますが、ここまで30分くらいでしょうか。

最後に原状回復に向けて、調査現場の最終チェックを行って、その日の業務は終了です。

データ処理は翌日以降に行うことが大半ですね。

Q.現場管理の仕事の流れがよくわかりました。最後に、この業務を担当してきた感想や、後輩へのメッセージなどがあれば、お願いします。

そうですね、お話してきたような現場管理の業務は毎日ではなく、週に1度くらいです。

繁忙期や、調査内容によってはもっと頻繁な場合もあり、まちまちです。

現場がないときは内勤で、調査の準備をしたり、集計や報告書作りも行ったりします。現場管理の業務が中心ですが、その他の業務も手伝っていますね。

この仕事の楽しいところは、自分が行ったことのない街に行けることです。

都市開発の仕事なので、何もなかったところに新しいものができ、街の移り変わりに出会えることがうれしいです。調査現場でも人や物の流れとともに、その場の空気感を見ています。

あとは車の運転が好きで、不特定多数の人とコミュニケーションをとることが苦にならない人には向いていると思います。

いろいろと話しましたが、都市計画やまちづくりに携わり、新しい発見もあるこの仕事は、とても面白いと思いますね。

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